2022/07/21活動報告

リスクマネジメント部会が講演会を開催しました

世田谷プラットフォームは6月27日、国士舘大学世田谷キャンパスで令和4年度世田谷プラットフォームリスクマネジメント部会による講演会を開催し、連携大学(国士舘大学、駒澤大学、昭和女子大学、成城大学、東京都市大学、東京農業大学)の教職員を対象に約20人が参加しました。

本講演会は、「平成30年大阪北部地震の被災大学に学ぶ都市型大学の災害対応」と題し、関西大学高槻事務局次長の奥田昌治氏、立命館大学学術情報部次長の廣井徹氏を招き行われました。

 

はじめに、リスクマネジメント部会の部会長を務める国士舘大学から防災・救急救助総合研究所准教授の中林啓修氏が、平成30年6月18日大阪府北部を震源として発生した大阪北部地震(M6.1・震度6弱)の規模や被害状況について説明しました。

当時、兵庫県にある人と防災未来センター研究員として現地で災害対応にあたった中林氏は「発生が予測される首都直下型地震などの災害時に学生や教職員を守り、教育機関として早期の事業再開および地域貢献を果たすため、直近の対応事例についてともに学びたい」と本講演の意図を話しました。

 

奥田氏は、発災時の状況と学内対応を時系列で振り返り、地域自治体との連携やボランティア実例なども紹介しながら、当時の体験談を語りました。その上で危機管理体制についての課題点、後日実施した見直しや改善点についても共有しました。最後に奥田氏は、国土交通省東北地方整備局が東日本大震災後に発行した『災害初動期指揮心得』の序文「備えていたことしか、役には立たなかった。備えていただけでは、十分ではなかった」を紹介し、「我々大学職員はこの言葉を念頭に日々体制づくりに取り組む必要があると感じている。ぜひ参考にしてもらえれば」と結びました。

 

続いて登壇した廣井氏は、防災公園と隣接した市民開放型キャンパスとして独自の地域防災への取り組みを説明しました。その中で発災直後からの学内対応とその課題点、また学内施設や研究室の被害状況など写真を示しながら解説し、後日の復旧活動にも触れました。加えて市民共催の防災イベント開催といった地域連携活動について、「近隣住民が日頃からキャンパスに慣れ親しむことで、災害時にも協力体制が構築でき、戦力となってもらうことにもつながる。普段のおつきあいが災害時に生きる」とのねらいを説きました。

 

講演後に設けられた質疑応答の時間には、各参加大学から積極的に質問が寄せられる中、防災意識に優れた大学の中枢で実際に災害対応に携わった両人の経験や意見が回答され、和やかな雰囲気の中で有益な知見を共有する時間となりました。

 

世田谷プラットフォームリスクマネジメント部会では、これまでも教職員対象の防災研究会を実施するなどして、大学としての災害対応を考える機会を設けており、今後も災害に備え大学・学生を守るために継続的に取り組んでまいります。

 

会場全体の様子
講師を務めた奥田氏(左)と廣井氏